STORY 02
軽さと鋭さ。1970〜90年代、2ストロークエンジンは日本のスポーツバイクに独特の性格を与えた。
2ストロークは、クランク1回転ごとに燃焼する単純な構造ゆえに、軽量な車体と鋭い加速を実現しやすい。一方で排出ガスや燃費の面では不利があり、規制の強化とともに公道モデルからは姿を消していった。
ここではその時代を懐古的に美化するのではなく、技術の系譜として記録する。
この特集の車両
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SUZUKI
スズキ パワーフリー号
1952
モペッド
自転車に取り付ける36cc空冷2サイクル単気筒の補助エンジン。1952年6月の発売で、スズキによれば「走行に必要な出力は36ccで十分」という考えのもとに設計。独自のダブル・スプロケット・ホイールと2段変速を備え、1954年のE3型まで進化した。
YAMAHA
ヤマハ YA-1
1955
スタンダード
1955年に登場した、ヤマハ発動機として最初のオートバイ。黒一色が主流だった時代に、シンプルな造形と栗色の塗装から「赤トンボ」の愛称で親しまれた存在。空冷2ストローク単気筒123cm³を搭載し、同年7月の第3回富士登山レースで優勝、続く第1回浅間高原レースのウルトラライト級では上位3位を独占。

SUZUKI
スズキ コレダ250 T20
1965
スポーツ
247cc空冷2サイクル並列2気筒に6段変速機を組み合わせた250ccスポーツ。欧米のハイウェイ走行を前提に開発され、国内では「コレダ250T20」として登場。米国では「X6 ハスラー」、英国では「スーパーシックス」の名で販売された。
YAMAHA
ヤマハ DT-1
1968
トレール
オンロードとオフロードの区別が曖昧だった時代に、「トレールバイク」という新しいカテゴリーを切り拓いた1968年のモデル。当時の国産車で最長ストロークのフロントフォーク、ブロックパターンのタイヤ、エンジンガードなど、未舗装路を走るための装備。空冷2ストローク単気筒246cm³。

SUZUKI
スズキ GT750
1971
スタンダード
スズキ初の「ナナハン」。1971年9月に登場した、水冷2サイクル直列3気筒738ccを搭載するGTシリーズの最高峰。冷却はアルミラジエーターと電動ファンによる加圧強制循環式で、米国では「ウォーターバッファロー」の愛称で親しまれた。
YAMAHA
ヤマハ YZ250
1974
モトクロス
1973年のモトクロス世界選手権と全日本モトクロス選手権でタイトルを獲得したワークスマシンYZM250(0W12)の市販レプリカ。モノクロスサスペンションを初めて装備した市販モデルで、「YZ250M」とも呼ばれた競技専用車。空冷2ストローク単気筒246cm³、5速。

SUZUKI
スズキ RG500(GPレーサー)
1974
レーシングマシン
500ccクラスの世界GPに参戦するためスズキが開発したロードレーサー。1960年代のGP活動で培ったスクエアフォー2ストロークを採用し、設計はMakoto Hase。1974年のフランスGPで初戦2位、1975年のダッチTTで初優勝を挙げた。
YAMAHA
ヤマハ RZ250
1980
スポーツ
2ストロークの魅力を凝縮した1980年のピュアスポーツ。水冷2ストローク直列2気筒247cm³、ヤマハ独自のモノクロスサスペンション、軽量キャストホイールを採用し、TZ250レーサーを思わせるスタイリング。
SUZUKI
スズキ RG250Γ
1983
レーサーレプリカ
1983年3月発売の250cc水冷2サイクル並列2気筒スポーツ。ハーフカウル、アルミ角パイプ製ダブルクレードルフレーム、フルフローターサスペンション、16インチの前輪を備え、乾燥重量131kgに最高出力45PS。スズキはレーサーレプリカ全盛時代の先駆と位置づける一台。
YAMAHA
ヤマハ TZR250
1985
レーサーレプリカ
ロードレースで培った技術を全面的に投入した1985年のレーサーレプリカ。水冷2ストローク直列2気筒249cm³にはYZR500譲りのクランク室リードバルブ吸気を採用。軽量・高剛性のアルミ製デルタボックスフレーム、前後17インチホイール、大径フローティングディスクを装備。

SUZUKI
スズキ RG500Γ
1985
レーサーレプリカ
500ccクラスのGPワークスレーサー「RGΓ」の技術を採り入れた公道モデル。4気筒を正方形に配した水冷2サイクル・スクエアフォーとロータリーバルブを、エアクリーナー内蔵のアルミ合金製ボックス型フレームに搭載。国内仕様は最高出力64PS、乾燥重量156kg。
YAMAHA
ヤマハ YZR500(0WF9)
1994
レーシングマシン
1994年から1995年にかけて使用されたGP500ファクトリーマシン。前年型からフレーム材を変更して剛性バランスを最適化し、エアインテークをカウル内側へ移して空力特性も改善。95年型では走行風を利用してエアボックスを加圧する技術を採用。水冷2ストロークV型4気筒499cm³、6速。